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胃・十二指腸の病気(胃潰瘍・胃がんなど)

胃や十二指腸(胃と小腸を繋ぐ消化管)の病気で多いのは、胃酸やピロリ菌等によって粘膜が傷つけられて起こる胃潰瘍・十二指腸潰瘍です。その他に、胃がん・十二指腸がんなどがあります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃酸やピロリ菌、食物、薬物、飲酒、喫煙等で胃や十二指腸の粘膜が傷つけられて起こる病気です。

症状として、胃の痛みや胸やけ、膨満感等があります。内視鏡や消化管造影検査等で検査をして病気が確認されたら、薬物などによる治療を行います。

胃がん・十二指腸がん

胃や十二指腸にできるがんを指します。アジア圏では、とくに胃がんの発生率が高いと言われています。また、初期の自覚症状がほとんどないため、初期での発見は難しいと言われています。進行してくると、腹痛、吐き気、食欲減退、嘔吐の症状が現れます。

胃がんはヘリコパクター・ピロリ菌の関与が示唆されています。

内視鏡検査や消化管造影検査等で検査し、治療します。

機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)、FD

機能性ディスペプシア(FD)は『症状の原因となる器質的、全身性、代謝性疾患がないにもかかわらず、慢性的に心窩部痛や胃もたれなどの胃十二指腸領域を中心とした腹部症状を呈する疾患』と定義されます。これまでは検査しても何も異常が見つからなかった場合「慢性胃炎」「神経性胃炎」等と言われ治療されてきました。しかし。慢性胃炎は「組織学的」に、FDは「症候学的」に定義されるものであって同一のものではありません。検診受診者の11~17%、上腹部症状を訴えて病院受診した患者の約半数がFDであったとの報告があり、日常的によく遭遇する疾患であると言えますが一般的にはあまり知られておらず馴染みが薄いかもしれません。

FDの病型は症状から2つに分けられます。

  1. 食後愁訴症候群(PDS)
    煩わしい食後膨満感、早期満腹感
  2. 心窩部痛症候群
    心窩部痛、心窩部灼熱感

診断には症状の評価と器質的疾患の除外が必要になります。詳細な問診や一般的血液検査など行うだけでなく確実な診断のためには内視鏡検査を行います。また、超音波などの画像診断も除外の為有効なことがあります。

現在のところFDの発症の原因として

  1. 胃酸分泌過剰(出過ぎ)、胃液の分布異常、胃酸に対しての胃十二指腸知覚過敏
  2. 胃の機能異常 胃適応性弛緩障害飲食物が胃に入る刺激で胃の平滑筋が緩み胃の容積が拡張 することの障害
    胃排泄遅延・・・胃からものが出ていくのに時間がかかる
  3. ヘリコバクター・ピロリ菌感染による胃の粘膜の炎症
  4. 心理社会的因子 ストレス、不安、抑うつ、幼児期の被虐待等
  5. 生活習慣 高脂肪食、アルコール、喫煙、睡眠障害
  6. 他感染性胃腸炎の既往

などが上げられている。従ってこれらのことを念頭において診断を進めていくことになります。
FDの治療は患者さんの満足しうる症状の改善を主たる目標にしています。病態には多くの要因が関係しており現在標準的治療というものはありません。器質的異常がなく重篤な経過をとることがないことを十分に説明し、生活習慣、食習慣の見直しを行い状態に応じて薬物療法行うことが一般的です。投薬として酸分泌抑制薬、消化管運動改善薬、漢方薬が用いられます。また、ピロリ菌感染が症状発現に関係していることがあるため、感染が確認されれば除菌行うことが勧められています。改善があまり良くない場合には心身医学的なアプローチや心療内科的な治療や抗不安薬抗うつ薬が必要とされることもあります。

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