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新型コロナウィルス感染症について

[2020.03.01]

   新型コロナウィルス感染症(新型肺炎)について

   はじめに

新型コロナウィルスによる肺炎が全世界を席巻しパンデミックの様相を呈してきている。この新しい我々が直面することとなったウィルスについて現在でも知悉であるとは言えないが徐々にではあるがその性格が分かってきた。当初の新型コロナウィルスに対するWHO,日本国政府の混乱ぶりは仕方ない面もあるが国民に対し早い段階での感染防止策や行動指針を提示する必要があった。これが早いうちに示されていたなら今ほどの混乱には至らなかったと思う。

以下国の新型ウィルス感染症対策会議での内容、日本医師会感染症危機管理室で提示された感染症対策の基本方針を中心に述べてみる。

 

新型コロナウィルスの症状

コロナウィルス族は日常ありふれたウィルスであり、新型コロナウィルスも罹患しても軽症であったり無症状の者が多く自然治癒するものも多いとされている。発熱や呼吸器症状が1週間程度持続することが多く強いだるさ(倦怠感)訴える人が多い。潜伏期間は平均5.2日で95%が12.5日以内である。重症度としては致死率が極めて高い感染症ほどではないが季節性インフルエンザと高いリスクがある。特に高齢者・基礎疾患を有する者では重症化のリスクが高い。

感染経路としては飛沫感染、接触感染が主で空気感染は起きていないと考えられている。しかし便中にも確認されたとの報告もあり糞口感染防ぐ意味でも十分な手洗いが薦められる理由である

 

医療機関での院内感染防止策

これらのことを踏まえると今後地域で患者数が大幅に増えたり感染症の疑いのある患者が増えて受信してくる状況で考えられる有効な対策は

・外来患者同士の感染防止に対し、1)入り口での手指消毒、2)受付での来訪者との距離の取り方、3)患者動線の工夫、4)特に症状のある方の分離(車での待機、別室に待機等)、発熱や呼吸器症状を訴える患者同士或いは他の患者が一定の距離を保てるようにする、5)呼吸器症状呈する患者にはサージカルマスクを着用させる、6)院内の換気、7)ペンなどの共用部の消毒等検討する

医療従事者の標準予防策(※)も徹底する必要がある。

※①呼吸器症状のある患者の診察はサージカルマスク着用、手指衛生(一人の診療終了毎に手洗いか手指消毒)を遵守

 ②マスクや手袋等の着脱時は環境汚染に留意し所定の場所に廃棄するとともに手指衛生を遵守(手指衛生の前に目や顔を触らない)

 

医療提供体制の変更の可能性について

 新型コロナウィルス感染症においては、感染への不安からむやみに医療機関を受診することはかえって感染するリスクを高めるし、医療機関のパンクを起こし医療崩壊へと繋がりかねない。風邪症状が軽度である場合は自宅での安静・療養を原則とし、状態が変化した場合に相談センターまたはかかりつけ医に電話等で相談した上で受診する。高齢者や基礎疾患有する者については、重症化しやすいことことを念頭により早期・適切な受診につなげる。風邪症状のない高齢者や基礎疾患保有者等に対する継続的な医療・投薬等については感染防止の観点から電話による診察で処方箋発行し極力、医療機関受信しなくても良いことになるだろう。

尚、(帰国者・接触者)相談センターに相談する目安としてこれまで同様

・風邪症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続く人(解熱剤飲み続けなければならない人も同様)

・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある人

以下の人は重症化しやすいため、この状態が2日程度続く場合は相談する

・高齢者

・糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)の基礎疾患がある人、透析受けている人

・免疫抑制剤や抗癌剤治療受けている人

 

最後に2020のオリンピックイヤーにとんでもないプレゼントを受け取った

ものですが、新型コロナウィルスという敵を知ることで正しく不安がる(?)ことでこの難局をみんなで乗り越えられると信じています。

               

                令和2年2月28日 院長

P.S.その後帰国者・接触者相談センターへの相談の目安としての発熱後4日間経過という基準は撤廃されました。

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